人が何かを成し遂げたい場合。
もっとも身につけたいものはなんでしょう?
意志力?
我慢する力?
やり切る力?
うーん。
いずれも正解であり、不正解かもしれません。
なぜなら人の意思はとても弱いからです。
そもそも、人はすぐに生ぬるい方向に逃げてしまうように元々の遺伝子に組み込まれているのです。
例えば。
目の前にトラが現れたらどうしますか?
「願ってもない状況だ…!」
とワクワクするでしょうか?
私なら一目散に逃げます。
なぜって?
死ぬかもしれないからです。
このように人は脅威から身を守るための本能が備わっています。
今までできなかったことをやろうとしても。
やってしまってたことをやらないようにしようとしても。
叶えたいことへ意識を集中したとしても。
忘れたり、できなかったりするのが人間なんです。
今までにやったことがないこと、すなわち「未知=脅威」として捉え、それを避けるように本能的にインプットされているわけです。
ならどうするか?
ここでひとつ、とても強い味方をご紹介します。
だらしない自分を半ば強制的に変えてしまう強い味方。
それは環境です。
私たちは良いも悪いも環境によって大きな影響を与えられています。
簡単な例を挙げましょう。
自分の周りに勉強も何もしないで遊んでばっかりいる友達ばかりだとしたらその中であなたは猛勉強することができますか?
正直、私には自信がありません。
もし、図書館で静かな中、周りが勉強している人たちに囲まれているとしたら?
私もとても勉強がしやすくなります。
満員電車だとイライラしやすいですが、人が少ない電車は気分もよくなります。
禁酒したいとき、飲み会に行けばきっとお酒を飲んでしまう事でしょう。
以下にグーグルの実験を紹介します。
2016年のグーグルニューヨークオフィスでの実験で、お菓子が置いてあるスナック置き場を起点に2箇所にドリンクバーを設置したそうです。
ひとつはスナック置き場から1.8mの場所へ置き、もうひとつは5.5mと少し遠くの場所へドリンクバーを設置しました。
そして、約400人の従業員の行動を観察したのですが、スナック置き場から近いドリンクバーを使用した従業員は遠くのドリンクバーを使用した人たちに比べてお菓子を食べる量が69%も高かったのです。
69パーセントは驚異的な数字でしょう。
グーグルは他にも色々な実験をしています。
サラダバーを社員食堂の入口付近においたら、野菜の摂取量は果たして増えるのか?
デザートを盛るお皿を小皿に変えたら、食べすぎが減るのかどうか。
実際に野菜の摂取量は増え、デザートの食べる量も減ったのだから驚きです。
グーグルが“環境の力”を信じ、研究をし、論文にまで仕上げているのです。
他にも、禁煙に関する実験で「煙草の誘惑に勝てる」と強い意志があると答えたグループは慢心からか飲み会などに参加しやすく禁煙に失敗しやすかったそうですが、「煙草の誘惑に勝てる自信がない」と答えたグループは喫煙所に近づかなったり飲み会に参加しなかったりと喫煙しそうになる環境を避ける傾向があったそうです。
そして、禁煙も成功しやすい傾向があったのですから驚きです。
強い意志を信じたものが結果失敗に陥るとは本当に皮肉なものです。
今の実験内容は以下の本から引用しました。
もし、興味があれば是非一度読んでみることをお勧めします。
この本は体調についてとてもわかりやすく書かれており私も何回も見た本です。
このように人は環境にとても影響されやすいのがお分かりいただけたかと思います。
なら私たちもこの環境の力を活用するべきです。
何かを成し遂げたいなら究極までにそれを成し遂げるための環境を真っ先に作るのです。
例えば、ダイエットを目的とした場合。
電車の定期券を一駅分減らして買えってしまばいいわけです。
すると一駅は必ず歩くことになります。
定期券は一駅分足りないのですから、本来の最寄駅通りに通勤してしまうと毎回1駅分だけお金を払うことになってしまいます。
帰り道についコンビニによってお菓子を買ってしまうのであればコンビニを通らないルートの道を歩くのです。
もしくはお金を持たないということも有効的です。
副業をしたいのに家に帰ったらだらけてしまう、お酒を飲んでしまうのであれば家に帰らないでカフェに行く。
自宅にお酒を置かない。
などもいいでしょう。
環境の力は計り知れません。
私も環境の力を使ってダイエットが-10㎏成功しました。
ぜひ、今の自分の環境を振り返ってみることをお勧めします。
甘えてしまってる部分があればその甘えに流されない環境を作ってしまえば、あとはその環境に身を置くだけで日常が変化していきますよ。