【脳科学】あなたが「もう使わないモノ」を捨てられない本当の理由。脳は「失う苦痛」を2.5倍強く感じていた。

【脳科学】あなたが「もう使わないモノ」を捨てられない本当の理由。脳は「失う苦痛」を2.5倍強く感じていた。

 

どうも!

クローゼットの整理を始めたはずが、
「これは高値で売れるかも…」とフリマアプリを眺めているうちに、
なぜか新しい服をポチっていた、効率脳アドバイザーSHOです。
#授かり効果どころか損失確定

 

脳科学・心理学・習慣設計をベースに、「人生のムダを減らす技術=効率脳」を毎日発信しています。

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その値段じゃ、売れません

さて、あなたもこんな経験はありませんか?

クローゼットの奥から、
「もう着ないけど、高かった服」が出てきた。

 

「よし、フリマアプリで売ろう!」
客観的に見れば、
「まぁ500円くらいで売れればラッキーかな」
と思うような状態です。

 

しかし、いざ出品する段になると、
「いや、これは買った時3万円もしたし…」
「このデザインは希少だし…」
と、謎の強気が発動。

 

気づけば「5000円」という強気な値段をつけて、
案の定、まったく売れないまま
クローゼットの肥やしに戻っていく…。

 

これ、あなたが特別に「欲張り」なのではありません。

 

あなたの「脳」が、
授かり効果(Endowment Effect)」という
超強力な脳のバグにハッキングされているだけなのです。

 

今日は、あなたの金銭感覚を狂わせる、
この厄介な脳のクセについて解説していきます。

 

 

なぜ「持っただけ」で価値が2倍になるのか?

「授かり効果」とは、
「自分が一度所有したもの」の価値を、
「他人が所有している同じもの」よりも
高く評価してしまう
、という心理的なバグです。

 

これを証明した、
超有名な「マグカップ実験」を紹介しましょう。

 

ノーベル経済学賞を受賞した学者たちが、
学生たちを2つのグループに分けました。

 

【Aグループ(売り手)】
まず、大学のロゴ入りマグカップ(約600円)を
「プレゼント」されます。
そして、「そのマグカップを、いくらなら売りますか?」
と質問されました。

 

【Bグループ(買い手)】
マグカップは持っていません。
Aグループが持っているのと同じマグカップを見せられ、
「それを、いくらなら買いますか?」
と質問されました。

 

さて、合理的に考えれば、
モノの価値は同じはずですよね?

 

しかし、結果は驚くべきものでした。

 

B(買い手)が提示した平均価格は…
「2.25ドル」(約250円)

A(売り手)が提示した平均価格は…
なんと「5.75ドル」(約650円)

 

信じられますか?

ただ「自分の物になった」という、
それだけの理由で、
同じマグカップの価値が【2.5倍】にも
跳ね上がってしまったのです。

 

あなたがフリマアプリで強気になってしまうのは、
まさにこの「授かり効果」が
あなたの脳に発動している証拠だったのです。

#持った瞬間お宝になる

 

 

大ボスは「損失回避」という本能

では、なぜこんなおかしなバグが
僕たちの脳にインストールされているのでしょうか?

 

その大ボスこそが、
損失回避(Loss Aversion)」という、
超強力な「本能」です。

 

これもノーベル賞学者カーネマンの研究で
明らかになったのですが、
僕たちの脳は、

「1万円を得る喜び」よりも、
「1万円を失う苦痛」のほうを、
【約2倍〜2.5倍】も強く感じる

ように配線されています。

 

「得したい!」という欲求よりも、
「損したくない!」という恐怖のほうが、
圧倒的に強いのです。

 

さっきのマグカップ実験を、
この「損失回避」の視点で見てみましょう。

 

B(買い手)にとって、
マグカップを買うことは「利益(+1)」です。
(お金は失うけど、モノが増える)

 

しかし、
A(売り手)にとって、
一度「自分の物」になったマグカップを売ることは、
損失(−1)」です。

 

そして、脳にとって「−1」の苦痛は、
「+1」の喜びの【2.5倍】も重い。

 

だから、売り手は、
その強烈な「失う苦痛」に見合うだけの
十分な「対価(高い価格)」じゃないと、
手放す気になれなかったのです。

 

あなたの脳は、フリマアプリで「売る」という行為を、
「利益を得るチャンス」ではなく、
私の大事なコレクションを失う苦痛」として
処理していたのです。

#失う恐怖は2.5倍

 

 

このバグ、時に暴走します。

この「授かり効果」は、
対象物への思い入れが強いほど暴走します。

 

アメリカンフットボールの頂上決戦、
「スーパーボウル」のチケットを使った調査では、
さらにとんでもない結果が出ました。

 

チケットを「持っていない人(買い手)」は、
170ドル(約1.9万円)までなら出す」
と答えたのに対し、

 

幸運にもチケットを「持っている人(売り手)」は、
2400ドル(約26万円)じゃないと売らない」
と答えたのです。

 

その差、なんと【14倍】。

 

もはや合理的な判断など吹っ飛び、
「絶対にこの幸運(=所有物)を失いたくない!」という
本能がむき出しになっています。

 

あなたが「もう使わないモノ」を
クローゼットに溜め込んでしまうのも、
「高かったモノ」を捨てられないのも、
すべてはこの「失う苦痛」を避けようとする、
脳の本能的なバグのせいなのです。

 

あなたの「本能」は、サルと同じ?

さて、いかがでしたか。

 

「損したくない」というこの強力なバグ。
実はこれ、僕たち人間だけの話ではありません。

 

「じゃあ、このバグはいつから備わったの?」
「どれくらい根深いの?」

 

その答えは、なんと、
遠く離れたプエルトリコの「サル」が
知っていました。

 

さらに、この「損失回避」のバグは、
「授かり効果」以外にも、
僕たちの非合理的な行動を
引き起こしています。

 

例えば、
「どうせ当たらない」とわかっているのに、
なぜか「毎週同じ番号の宝くじ」を
買ってしまうのを、やめられない…。

 

これも「損失回避」から派生した、
もう一つの厄介なバグ
後悔回避」の仕業なのです。

 

ご安心ください。

そのための「完全な設計図」を用意しました。

 

僕のYouTubeチャンネルのメンバーシップ会員限定記事では、
この「損失回避」が、
いかに僕たちの「進化の歴史」に深く刻まれた本能であるかを、
衝撃の「サルの実験」で解き明かします。

 

さらに、
あなたが「宝くじの呪縛」から逃れられない理由、
「後悔回避」のメカニズムと、
その呪縛を断ち切るための具体的な脳ハック術を
徹底的に解説します。

 

これはあなたが「損したくない」という本能に振り回されるのをやめ、
合理的な判断力を取り戻すための「脳の取扱説明書」です。

 

▶ 有料記事『【実践・完全版】「サル」に学ぶ「損失回避」の正体。なぜあなたは「同じ宝くじ」を買い続けてしまうのか?「後悔」の呪縛を断ち切る脳ハック術』はこちら

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【追伸】
僕も「授かり効果」の強さを実感しました。

先日、妻が僕の(大事にしていた)
ボロボロのTシャツを捨てようとしたので、
「待て!それは俺の魂の一部だ!」
と全力で阻止しました。

…しかし、冷静になってみると、
それは学生時代に買った、
首がヨレヨレのただの肌着でした。

どうやら僕の脳は、
「魂」と「肌着」を
同じフォルダで管理しているようです。
#授かりすぎ効果

 

それでは、今日もこの言葉で締めさせていただきます。

『今日1日をモノにしよう!』

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

参考書籍

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