ストレスを一瞬で味方につける方法というのがあります。
そもそも、軽微なストレスは人体に良い影響を与えます。
ですが、この社会はストレスに溢れています。
慢性的なストレスが心身に負担をかけ、体内で炎症を起こし続けています。
WHOの推計によれば、心臓麻痺は年に1700万人いますが、そのうち25%は激しいストレスによるものであることがわかっています。
心臓はメンタルにとても影響されやすいということがこの結果でわかります。
精神的なストレスがずっとかかり続けると、心臓はエンジンを蒸し続ける状態となってしまいます。
本来であれば、日中には交感神経が優位に働き、脈と血圧が上がる。
そして、夕方になれば、リラックスをして脈拍と血圧が下がる。
これが正常な生存システムだったんです。
ですが、ストレスにより心臓に負荷がかかり続ける結果、心臓と血管に過度な負荷がかかり続けるため、心臓麻痺のような突然死に至ってしまうのです。
本日はそんなストレスを一瞬にして味方にしてしまう方法についてご紹介します。
こちらの本をお勧めします。
この方法はストレスの応急処置です。
ストレスを感じたときに効く感情のコントロール方法。
感情の調整技法の1つです。
それは『リアプレイザル』と言う方法です。
リアプレイザルは再評価という意味です。
難しそうな言葉ですが、やり方はとてもシンプル。
『緊張』と言う反応を『興奮』と言う反応に解釈をするだけです。
つまりストレス反応が出たら、それをポジティブな解釈をすると言う方法です。
スピーチやテストなどのストレス反応に対して『興奮してきたぞ』『楽しくなってきたぞ』と、自分に言い聞かせるのです。
シンプルですが何回も繰り返し行うことで身についていきます。
リアプレイザルについての研究があります。
ハーバード大学のアリソン・ブルックス博士が300人を集め実験をしました。
300人に対してスピーチやカラオケ、数学テストを指示。
そのストレス反応に対して『楽しくなってた』と解釈するように促しました。
すると、ポジティブに解釈したグループは、それぞれの成績が17〜22%も良くなったのです。
リアプレイザルができるようになれば、
- 感情のコントロール
- 建設的な反応
- 精神的な健康向上
- うつ病や不安症リスクの減少
- 人間関係の改善
- コミュニケーションの質の向上
と言った効果を得ることができます。
ブルックス博士はこう言います。
『私たちは自分の感情をコントロールし、意図的に影響与えることができる』
実は、『緊張』と『興奮』という反応は、人体の反応と言う点ではどちらも同じただの反応です。
人前でスピーチするときの緊張であれ、試験に合格したときの興奮であれ、両方とも人体では同じように心臓を激しく打ち、ストレスから身を守ろうとストレスホルモンであるコルチゾールが分泌するのです。
この時、体内で起きるのは『外部の刺激に体制を整えた』と言う事実だけなのです。
つまり、脳がそれをどう捉えるかだけがポイント。
脳が緊張が興奮かのどっちで解釈するのか?
それは自分自身が決められるということです。
ピンチをチャンスとして捉える。
不安を成長として捉える。
新しい解釈をすることによって、感情が変化していくのです。
リアプレイザルはこの緊張を興奮として捉えることで全体的なストレスや不安を軽減するのです。
ただし、効果は一時的なものなので注意が必要です。
長期的な感情の変化を期待するのであれば、繰り返し練習することが必要となります。
この解釈の仕方を実践、習得するには慣れるまで時間がかかります。
自分がストレスを感じた場面を思い出して、訓練をしてみると良いでしょう。
リアプレイザルをうまく活用することで、感情の調整が可能になります。
ストレスから身を守るためにも、ぜひ身に付けておきたい技法の1つです。