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【悪用厳禁】なぜ、あなたは「占い」を信じてしまうのか? 脳をハックする「虹色の戦略」と「人間共通のシナリオ」
どうも!
朝、プロテインを飲もうとしてシェイカーを振ったら蓋が閉まっておらず、キッチンがバニラの香りの大惨事になった効率脳アドバイザーSHOです。
#甘い匂いの地獄絵図
さて。
今日は『なぜ、あなたは「占い」を信じてしまうのか?』というテーマでお話したいと思います。
かなり踏み込んだ内容(というか、占い業界のネタばらし)になるので、このブログが消されないことを祈ります。
本題に入る前にコチラの共有です。
そんなこんなで本題です。
名探偵コナンなんていない
皆さんは、占い師や霊能者(サイキック)が、なぜ初対面のあなたの性格や過去をズバリと言い当てることができるのか、不思議に思ったことはありませんか?
「鋭い観察眼で、服のシワや靴の汚れから、その人の生活習慣を推理しているんだ!」
「ドラマの『メンタリスト』みたいに、微細な表情(マイクロジェスチャー)を読んでいるんだ!」
そう思っているとしたら、それは大きな誤解です。
コナン君や海外ドラマの見過ぎです。
#真実はいつもひとつじゃない
イアン・ローランドの著書『コールド・リーディング』によると、実際の現場では、「観察力」や「ボディ・ランゲージ」はほとんど重要ではありません。
なぜなら、彼らは電話や郵便(メール)だけの占いでも、対面と同じように相手を信じ込ませ、高額な報酬を得ているからです。
相手の顔が見えないのに「当たる」ということは、視覚情報以外の「何か」を使っているということ。
では、彼らは何を使っているのか?
それは「超能力」ではなく、
「誰もが自分のことだと錯覚してしまう言語トリック(台本)」です。
今日はその中でも特に強烈な脳のバグを利用した3つの技術を解説します。
① 脳をバグらせる「虹色の戦略」
一つ目のテクニックは、「虹色の戦略」です。
これは、「ある性格の特徴と、それと正反対の特徴を同時に述べる」という、論理的に考えれば「ズル」以外の何物でもないテクニックです。
例えば、こんな風に言われたらどう感じますか?
「あなたはとても思いやりのある人で、いつも他人に与えてばかりですが、素直に振り返ってみれば、ときとして自分の中に利己的な傾向を見ることもあります」
これ、冷静に読めば「あなたは優しいけど、たまにワガママだ」と言っているだけです。
当たり前です。人間なんだから。
しかし、これを言われた瞬間、あなたの脳内(海馬や前頭葉)では恐ろしいことが起きます。
1. まず前半の「思いやりのある自分」と言われた時、脳は無意識に「友達を助けた記憶」を検索し、「当たってる!」と感じます。
2. 次に後半の「利己的な自分」と言われた時、脳は「疲れて誘いを断った記憶」を検索し、「確かにそういう時もある!」と納得します。
つまり、「どっちに転んでも当たり」になるように設計されているんです。
さらに、
「あなたは内向的で恥ずかしがり屋な面がありますが、状況によっては外交的になり、場を盛り上げることもあります」
と言えば、世界中の全人類に当てはまります。
これを仕掛けられると、脳は「言われたことと合致する証拠を、記憶の中から勝手に探し出す(確証バイアス)」というモードに入り、目の前の相手を「私のことを深く理解している人だ」と誤認してしまうのです。
② 逃げ場のない「細やかな褒め言葉」
二つ目は、「細やかな褒め言葉」です。
これは単なるお世辞ではありません。
「普通の人」や「あなたの周りにいる人」と比較して、「あなたはわずかではあっても、確実に優れている」と伝える技術です。
「あなたは基本的に誠実である」
「あなたは勤勉で仕事熱心だ」
こう言われて、「いいえ!私は不誠実で、サボり魔のクズ野郎です!」と反論する人はいませんよね?
#そんな奴はいない
人間には「自分は社会的に望ましい人間だと思いたい」という強烈な欲求があります。
だから、この手の「褒め言葉」を投げられると、無条件で受け入れてしまう。
さらに恐ろしいのは、これを言われた後、あなたは無意識に「誠実な人間として振る舞わなければならない」というコミットメント(一貫性の原理)に縛られます。
結果として、詐欺師や占い師に対して「疑う」という行為ができなくなる(=不誠実な態度を取れなくなる)のです。
③ 人生のシナリオを読む「ジェイクイーズ・ステートメント」
最後、三つ目は「ジェイクイーズ・ステートメント」です。
これはシェイクスピアの『お気に召すまま』に出てくる「人生の七つの時代」に由来するテクニックで、「その年代の人なら、誰もが直面している共通の悩み」を語る手法です。
例えば、あなたが社会人になりたての20代〜30代前半だとしましょう。
こんな風に言われたら、ドキッとしませんか?
「あなたは自分のアイデアや才能や能力が十分認められていないと、不満を感じることがよくあるでしょう。自分に何ができるかを示す機会を得るために苦しい思いをしなければならないことが、一度や二度ではなく、これまでに何度もあったでしょう」
あるいは、30代後半〜40代の方なら、こちら。
「若い頃に抱いていたあの夢、大事にしていたあの大きな野心、かつて大事だと思っていたあの計画、そういうものはみんなどうなってしまったんだろう、と不思議に思うことがよくありますよね。(中略)今はもうやめだ、何もかも棄てて、今度は自分のやり方でやり直したいと、そんなふうに思っている部分が、あなたの奥深いところにあるんじゃありませんか?」
これは、ゲイル・シーヒィの研究書『パッセージ(Passages)』などにある「成人の発達段階」に基づいた、統計的なデータなんです。
人間は、ある年齢になれば、同じような壁にぶつかり、同じようなことに悩みます。
「隣の芝生は青く見える(選ばなかった人生への未練)」というのも、典型的な共通シナリオです。
しかし、悩んでいる当事者は「自分だけの深い悩みだ」と思い込んでいます。
そこへ、この「ジェイクイーズ・ステートメント」を投げ込まれると、
「なんで私の人生が分かるの!? この人は本物だ!」
と錯覚してしまうわけです。
結論:事実は存在しない、あるのは「解釈」だけ
まとめます。
1. 虹色の戦略:相反する性格を同時に伝え、どちらか一方を脳に選ばせる。
2. 細やかな褒め言葉:社会的に望ましいレッテルを貼り、否定できなくさせる。
3. ジェイクイーズ・ステートメント:統計的な「人生あるある」を、個人の運命として語る。
彼らが使っているのは、超能力ではありません。
「誰にでも当てはまる曖昧な言葉」を、「あなただけの物語」に変換させる「脳の補完機能」を利用したトリックです。
ですが、ここからが重要です。
この技術を「詐欺だ!」と批判して終わるのか。
それとも、「人間関係を円滑にする最強のコミュニケーション・ツール」として自分の武器にするのか。
ビジネスでも、恋愛でも、子育てでも、
相手に「この人だけは私のことを分かってくれている」と感じさせることは、信頼関係構築のスタートラインです。
YouTubeメンバーシップ限定記事では、
このコールド・リーディングの技術をさらに深掘りし、
相手の自尊心をくすぐり、あなたの提案を「自分のアイデアだ」と錯覚させてYESと言わせる「シュガー・ランプ」という悪魔的テクニックについて、具体的な会話例と共に解説します。
・なぜ、相手の手柄にするだけで、人はあなたのために動くのか?
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【追伸】
「虹色の戦略」の効果を検証するため、
僕は昨夜、妻に対して実験を行いました。
食後の洗い物をしながら、僕は言いました。
「ねえ、君ってさ。
普段はすごく家族思いで優しい女神のような存在だけど、
時々、僕に対してだけは、すごく冷徹で、ゴミを見るような目で見ることってあるよね?」
妻は、泡だらけのゴム手袋をはめたまま、真顔で言いました。
「分析は正確です。
そして、今のあなたの余計な一言により、後半の『冷徹な妻』の出現率が100%に確定しました。
今週末のあなたの予定はキャンセルです。大掃除を手伝ってください」
…どうやら僕は、
「虹色の戦略」を使ったつもりが、
「灰色の週末」を引き寄せてしまったようです。
#予言的中
それでは、明日のブログでお会いしましょう!
『今日1日をモノにしよう!』
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
