ストレスは体に悪い。
多くの方がそう捉えがちです。
しかし、実際のところストレスが体に悪影響を及ぼすと言うのは事実ではないようです。
ストレスは体に悪影響を及ぼすばかりか体を守るために働いてくれるということがわかっているのです。
ストレスに対する認識を変えることで、自分の健康にもこれからの人生にも大いに役に立ちます。
本日はストレスが体に及ぼす影響についてお話しします。
こちらの本をお勧めします。
まず、ストレス感じた際、分泌されるホルモンについて理解してみましょう。
ストレスには2つのストレスホルモンがあります。
コルチゾールとDHEAという2つのホルモンです。
この2つの割合がとても大切になるのです。
コルチゾールの割合が高くなると免疫機能の低下やうつ病などの症状が現れる可能性があります。
逆に、DHEAの割合が高くなると不安、うつ病、心臓病、神経変性のストレスに関連する様々な病気のリスクが低下する傾向が見られるのです。
もちろん、後者のDHEAが分泌されることで、ストレスに負けずに頑張れると言う結果になります。
ストレスが体に悪いと言われていましたが、このように好影響を及ぼすことがわかっているのです。
そして、ストレスホルモンのDHEAの分泌量を増やす方法があります。
しかも、その方法は至ってシンプル。
「ストレスには良い効果がある」
と言うことを知っていると言うことです。
その事実を知っているだけでいいのです。
これはメンタルなどの思い込み効果ではなく、実際に副腎で生成されたストレスホルモンの割合という、極めて明確な形で効果が示されるので驚きです。
とある実験では、ストレスは良いものだとポジティブに考えるための講座を受講させたグループは、不安症やうつ病の症状があまり見られなくなりました。
また、腰痛や不眠症などの健康問題も減少し、集中力や仕事への取り組み、周囲との協力や仕事の生産性の向上が見られたそうです。
しかも、強度のストレス下であった場合でもこのような改善傾向が見られたといいます。
ストレスへの思い込みをポジティブにする介入は、短期間の介入で十分でした。
つまり、短期間の介入で長期的な変化もたらす可能性があると言うことです。
ストレスはマイナスなものではない。
ポジティブなものであると考えられるようになると、ストレスのために起きる病気の症状が減り、強いストレスにも負けずに頑張れるようになります。
ただし、この考え方は自分のマインドセットを変えなくてはなりません。
ストレスは体に良い影響及ぼすものだと言うことを、自分の信念として定着させなければならないのです。
ですが、このマインドセット方法に関しても難しい事はありません。
面白い研究をご紹介します。
スタンフォード大学の心理学者グレゴリー・ウォルトンが行った研究です。
健康や成功の妨げとなる思い込みを持っているグループをターゲットに思い込みを変える実験を行っています。
まずは3、4年生を対象にしたアンケート調査で「誰でも社会的帰属の問題で悩む事はあるが、その問題は時間とともに解決できる」と言うメッセージを書いてもらいます。
内容は
「入学したばかりの頃は自分が浮いてるような気がしたが、1年が過ぎる頃にはみんな同じような不安や気持ちを抱えていたということに気がついた」
ということ内容です。
そして、このコメントを1年生たちに読んでもらいます。
そして、1年生たちにも次に入学してくる1年生たちに向けてメッセージをしてほしいと頼みました。
内容は、「不安をたくさん抱えているだろうけれども同じ経験をしたばかりの先輩として新入生たちの助けになるようなことを言ってほしい」という内容です。
この実験の結果、1年生のその後の3年間の成績と健康状態が良く、幸福感も大きくなったそうです。
学生たちの学業上の問題や社交の問題に向き合う態度が変化し、さらにはメンターを見つけたり親しい友達を作ったりしたりと社会活動も向上したというのです。
一年生のたったの短期間の介入でその後の学校生活が変わったのです。
ちなみに、1年生の時の介入実験に参加したことを覚えているかどうか学生たちに尋ねると79%の学生たちは実験に参加した覚えがあると答えたそうですが、どんな実験だったかを覚えているのはたったの8%でした。
つまり、介入実験のことを忘れてしまってもそこから学んだメッセージはちゃんと定着しており、しっかりとしたマインドセットになっていたということになります。
ストレスは体に良いものである。
この事実を理解することでこれからの人生で起きるストレスを自分にとって良い影響として扱うことができるようになります。
このストレスの考え方については、またお伝えできればと思っております。
まずはストレスへの認識を変えるだけで、人生を変えるほどの影響を及ぼすということを知っておくといいでしょう。