燃え尽き症候群という言葉をご存知でしょうか?
人一倍頑張ってきた人が何かをきっかけに活力を大きく低下させてしまうことです。
目標に集中できなくなってしまったり、人と距離をとってしまったり、心身の疲労がなかなか取れにくくなってしまったりしてしまいます。
鬱的傾向と言っても良いでしょう。
特に頑張り屋さんの方がなりやすい症状です。
本日は、そんな燃え尽き症候群に対してどのようなアプローチをすれば軽減できるのかについてお話しします。
軽減できるばかりかストレスに強くなることができるので、最後までご覧ください。
本日はこちらの本をお勧めします。
燃え尽き症候群を軽減させる方法は語り合いの場が必要となってきます。
この語り合いの場というのは自らの経験を話す場です。
辛かったこと、苦しかったこと、考え込んでしまったこと、自分の仕事の意味など。
お題はその時のプログラムによって全く変わってきます。
ロチェスター大学医科歯科校で開発された医療従事者の燃え尽き症候群を軽減するためのプログラムをご紹介します。
医療従事者は職務上強ストレスを処理する必要性があります。
ある意味、医師たちは様々なことを割り切って痛みや苦しみや死と向き合いように医療従事者は訓練されています。
しかし、精神的に参らないようにしていくうちに、医師たちは患者のことを物や医療措置の1部としてみなしてしまう可能性もあります。
そのようなストレス緩和方法は最初の頃は良いでしょう。
ですが、医療従事者や介護従事者は患者に寄り添うことがどれだけ重要をしっかりと認識しなければなりません。
寄り添わなければならないことと、距離をとって割り切らなければならないこと。
この2つの間で自分の仕事に価値観を見出せなくなってしまい燃え尽き症候群となってしまいやすくなるのです。
プログラムでは週に1回2時間、少人数の医師たちが集まります。
はじめは、マインドフルネスのテクニックを練習していきます。
呼吸や体の感覚に支給を集中させ、自分の中には起こってくる考えや感情、感覚に注意を払い受けれるようにしていくのです。
マインドフルネスの練習の後は、医師たちは1人ずつ自分のストーリーを語り始めます。
テーマはあらかじめ決まっています。
テーマに沿って自分が紹介したい体験談を簡単に紙にまとめ、ペアか小さなグループに分かれて1人ずつ体験談を語っていくのです。
聞き手には2つの役割があります。
1つは相手の話にじっくり耳を傾けること。
そして相手の話を聞いているうちに自分がどのような影響をうけているかに注目していくのです。
自分ならどんな判断をするか、どんな感情が湧いてきたかを考えていくのです。
そして、もう一つの役割は話し手がその経験に意味を見出せるようにしてあげると言うことです。
そのためにこちらの質問を相手にかけます。
- 「その経験が忘れないのはなぜですか?」
- 「その時にどんなことをしたのが役に立ちましたか?」
- 「自分自身について、どんなことを学びましたか?」
このプログラムを2ヶ月間は週に1回。
その後の10ヵ月間は月に1回集まってエクササイズをしました。
すると、参加者たちの大月症候群の症状は著しく緩和されていたそうです。
精神的な疲労が軽減され、起床時のメンタルも安定しました。
自分の仕事に満足感を覚えるようになり、自分の仕事を後悔するようなこともなくなったそうです。
また、ストレスを感じても、以前に孤独だと思わないようになったそうです。
さらに、患者に対する思いやりが前よりも深まり、難しい症例にも憤りを感じたりせず興味を持って取り組めるようになったそうです。
つまり、医療従事者は以前と同じストレスの多い仕事を続けながらも、精神的に極めて健康になっていったのです。
医師として働く上では避けようのない苦しみがあります。
その苦しみに心を開くこと。
それによって、再び苦しみの中にも意味が見出せるようになったのです。
ストレスを減らそうとするのではなく受け入れることが重要だったのです。
ストレスとしっかりと向き合うことが力に変わり、心の拠り所になっていくのです。
家族や同僚、友人に、ただ愚痴をこぼすだけでは同様の効果を得ることができません。
しっかりとマインドフルネスをすること。
そして、自らの体験を誰かに話すこと。
相手の体験を聞いて自分の見解を広げること。
そして、ストレスが自分の活力になること。
このことをしっかりと理解することでストレスを力に変えることができるのです。