なぜあの上司は言わなくても部下が動くのか?心理学でわかる「自発性の引き出し方」

なぜあの上司は言わなくても部下が動くのか?心理学でわかる「自発性の引き出し方」

 

どうも、効率人生研究家SHOです。

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さて今回は、「指示しないと動かない部下」に悩んでいる人にこそ届けたいテーマです。

  • いちいち言わないとやらない
  • 指示すると「やらされ感」が強くなる
  • こちらも指導が面倒になってくる…

そんな“動かない部下問題”ですが、
実はちょっとした心理の使い方で、驚くほど変わるんです。

 

キーワードは「選ばせる」。

指示ではなく“自分で選んだ感覚”を持たせることで、
脳は“自発性モード”に切り替わります。

 

この記事では、行動経済学や心理学の中でも有名な3つの効果を使って
「指示ゼロでも部下が動くようになる方法」を解説していきます。

 

1. 最初に無理を言うと、普通の指示が通る(ドア・イン・ザ・フェイス)

ちょっとズルいテクニックですが…
人間の脳は「断ったあとの提案」にYESしやすくなるというクセがあります。

 

これを心理学では「ドア・イン・ザ・フェイス」テクニックと呼びます。

意味はそのまま、「最初にデカい要求(玄関ドア)を出して、断らせたあとに小さな提案を出すと、通りやすくなる」というもの。

 

たとえば部下にこんなやりとり。

上司:「来週の全体プレゼン、ちょっと全部任せていい?」
部下:「えっ、それはちょっと…」
上司:「じゃあ、資料作成だけお願いできる?」

→これ、ほぼ確実に「はい」となります。

 

なぜか?

最初の「断る」という行為に少しだけ罪悪感が生まれるからです。

そしてその罪悪感を帳消しにするために次の提案にはYESしやすくなる。

 

しかも、この時の2つ目の提案は「相対的にラクに見える」ため、
“やらされ感”が減るという効果もあります。

 

つまりこのテクニックは、心理的に「断れない空気をつくる」のではなく、
“自分で判断した感覚”を持たせる設計なんです。

 

職場での応用例:

  • 「この3つの改善、全部今月中にできそう?」→「うーん…厳しいです」→「じゃあ1個だけ進めようか」
  • 「プロジェクトのまとめ全部お願い」→「無理です」→「じゃあ打ち合わせ進行だけでOK」

この「最初に断らせて、本命を通す」順番、
びっくりするほど効果あります。

 

 

2. “おとり案”が本命をよく見せる(おとりの提示)

次にご紹介するのは、「おとりの提示」という心理効果です。

これはその名の通り、本命の選択肢をよく見せるために“わざと選ばせない案”を用意するというテクニック。

 

たとえば、こんな経験ありませんか?

  • 3つのメニューがあって、真ん中の値段と内容のものを選んでしまった
  • 微妙に高すぎるプランがあったおかげで、もう一方のプランが安く感じた

これが「おとり効果」の力。

 

比較の対象をわざと用意することで本命を“相対的に魅力的”に見せるというものです。

 

では、職場での活用例を見てみましょう。

たとえば部下に仕事を振るとき──

  • 案①:丸投げしてプレッシャー
  • 案②:わかりやすいが簡単すぎる
  • 案③:やや負荷があるが、ちょうど良いレベル

→ここで案③を本命にしたいなら、あえて案①(ハードすぎ)や案②(ラクすぎ)を並べておくと、

「案③がちょうどよく感じる」んです。

 

これにより、「やらされてる」ではなく“自分で案を選んだ感覚”が生まれ、モチベーションが維持されやすくなります。

 

おとり案は、相手を操作するものではなく“納得感”を設計するテクニックだと覚えておいてください。

 

 

3. 比べることで価値が生まれる(ペプシ・パラドックス)

最後に紹介するのは「ペプシ・パラドックス」という心理現象です。

これは、人は「実際の体験」よりも「ラベルや意味づけ」によって判断を左右されるというものです。

 

ある実験では、目隠しをしてペプシとコカ・コーラを飲み比べてもらうと、多くの人が「ペプシの方が美味しい」と答えました。

ところが、ラベルを見せて同じように飲み比べてもらうと──
今度はほとんどの人が「やっぱりコカ・コーラの方が好き」と感じたのです。

 

つまり、「どっちが本当に美味しいか?」ではなく、
“どっちが良さそうに見えるか”が選択を左右していたということ。

私たちは、無意識のうちに「ブランド」や「イメージ」に影響されているのです。

 

この現象は、職場の提案や教育にも応用できます。

たとえば、あなたがある仕事を任せたいとき──
ただ1つだけ案を出すと、相手は「なぜそれなの?」と疑問を持ちやすい。

ですが、A案とB案を並べて見せるだけで、
どちらかを自分で“納得して選んだ”気持ちになり、行動につながりやすくなるのです。

 

たとえば

  • 「資料の仕上げだけど、Aは数字メイン、Bはストーリー重視。どっちが伝わりそう?」
  • 「今回のプロジェクト、前に出る役かサポート役か、どっちが得意そう?」

→ これだけで、“やらされ感”が薄れて「自分で選んだ感覚」が生まれます。

 

重要なのは、「選ばせる」のではなく“選ばされたと感じさせない”ように設計すること。

その工夫こそが、相手の「やる気」と「納得感」を自然に引き出すカギになります。

 

 

まとめ|やる気を引き出すには「選ばせ方」がすべて

ここまでの3つのポイントを振り返りましょう。

  • ドア・イン・ザ・フェイス:最初に無理めな依頼を出すと、本命の指示が通りやすくなる
  • おとりの提示:わざと比較対象を入れることで、本命の提案が魅力的に見える
  • ペプシ・パラドックス:人は比較があるときに“納得”を感じやすくなる

 

職場で人を動かすのに必要なのは、力や命令ではありません。

「どう見せるか」「どう選ばせるか」の設計こそが、行動を生むトリガーになるのです。

 

「自発的に動く人」ほど、“選ばされた感覚”を持っていません。

選択肢があった。
自分で選んだ。
自分の判断だった。

この感覚こそが、やる気の正体なんです。

 

▼次回は、さらに深く“行動をデザインする提案技術”を解説!

YouTubeのSHO’s Study Log(有料記事)では、

・部下に「Yes」と言われやすい提案の順番
・複数案から選ばせるときの構成テンプレ
・納得感が自然に生まれる“見せ方”の設計術

など、そのまま現場で使える「提案の組み立て方」を徹底解説します。

 

  • 「やる気ない人」が「自分で動き出す」提案テンプレ
  • 断られないための“最初の仕込み方”
  • 選択肢の見せ方で変わる「納得と実行率」

 

▶ 続き『【有料会員限定記事】【命令ゼロで動かす】“選ばせる設計”で部下が自発的に動き出す心理技術』はこちら

▶ SHO’s Study Log(メンバー限定記事)はこちら

 

指示ゼロで動く人は、「選びやすく設計された世界」で育つ。

それをつくるのは、あなたの“ひと工夫”。

 

「今日1日をモノにしよう!」

 

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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