人は報酬を受けることを好みます。
例えば、ボーナスを受け取る時や、道端でティッシュを配っている時でさえもらったら、何となくいい気分になります。
今回はその報酬に関して面白い研究がありますのでご紹介します。
この報酬の効果がわかれば、きっとこれからの人生に大きく役に立つはずです。
本日はこちらの本をお勧めします。
もしあなたに与えられる報酬が無意味なものだったら?
もらったものに全く意味がなかったとしたら、人はどのような影響を受けるのか。
このような面白い研究をしたが、シカゴ大学です。
2017年シカゴ大学のクリストファー・ハシー博士は「無意味な報酬に、人間はどう反応するのか」と言うことを調べたそうです。
被験者はネットの広告のレーティング作業を指示されています。
その画面上には常に謎のスコアが表示されています。
このスコアは、被験者が作業を終えることにランダムで増加していきますが、特に作業のパフォーマンスを評価しているわけでもなく、特典を稼いだからといって商品が貰えるわけでもありません。
ただ、単に数字がランダムに増えていく。
たった、それだけなのです。
そして、そのことについて、被験者も気づいていました。
ここからが面白い話になります。
この数字は被験者のパフォーマンスに大きな影響を及ぼしたのです。
無意味な数字を見ながら作業を行ったグループは、そうではない被験者に比べてなんと達成率が25%も多かったのです。
しかもその増減値は、スコアの加算スピードと連動していたそうです。
つまり、意味のわからない謎のスコアが早く上がるほど、被験者のモチベーションは上がり、スコアが増えないときには作業の効率が下がってしまったわけです。
謎のスコアがここまで影響与えるなんて、全く持って面白い話です。
この結果について、ハシー博士はこうコメントしています。
「数字のフィードバックは低コストで大きなインパクトを持つ。
この現象は、エクササイズでもビデオゲームでも、政策提言でも同じように使えるだろう」
こんな無意味な数字に、人が左右されるのです。
これは私たちがフィードバックに大きな影響を受けると言う結果でしょう。
自分のしたことが数字に現れることによって、パフォーマンスは影響されていくのです。
例えば、夏休みのラジオ体操のシールやTo Do リストのチェックマークなど。
ゴールまでの進行度と並行して数量が増えていくものであれば、人の脳は何でも快楽を得られるようにできていると言うことです。
そういう意味では、最も手軽なフィードバックと言うのは、カレンダーを使ったものでしょう。
シンプルにカレンダーに◯をつけていくだけです。
とても原始的ですが、とても効果的なフィードバックです。
1つコツを伝えるのであれば、デジタルなフィードバックではなく、アナログなフィードバックが有効的です。
また、今までのフィードバックを消した瞬間に被験者のモチベーションが下がる傾向があったので注意が必要です。
常に見えるようにしておくことで効果をさらに発揮します。
最後にもうひとつ、効果的なフィードバックをご紹介します。
オハイオ州立大学の藤田健太郎氏が考察した「アカウンタビリティチャート」です。
やり方は、シンプル。
- ノートの真ん中に区切り線を引く
- 右側に1日の作業時間を90分限りで書く
- 左側に実際にこなした作業内容を書く
この作業を続けた被験者は、セルフコントロール能力が上がり、目標の達成度が向上したそうです。
理由は2つ。
やり遂げた作業を書き残すということがフィードバックになるため。
チャートを眺めるだけでも、脳は満足感を得ることができるのです。
そして、実際にかかった作業時間を記録していくことで、少しずつ時間の見積もりが上手くなっていくこと。
記録をつけ続けることによって、正確な所要時間をが出せるようになります。
以上が数字の報酬効果についてでした。
わけのわからない謎の数字でもうまく活用すれば大きな効果を得ることができます。
カレンダーに◯をするだけでも効果を発揮するので不思議なものです。
私はHIITと言うかなり過酷なトレーニングを毎日しています。
そのアプリはHIITをするために記録を押し続けてくれます。
くじけそうになったとき、この記録を見るだけで、やる気が湧いてくるのはこの数字の効果だったんですね。
羅列している日付を見ていると「ここで途絶えさせてはいけない」と強く思うことが出来るのです。
ぜひあなたもフィードバック、数字の報酬効果を試してみてください。